御社のトヨタ生産方式は、なぜ、うまくいかないのか? ~偽りの「かんばん」~
御社のトヨタ生産方式は、なぜ、うまくいかないのか? ~偽りの「かんばん」~ 若井 吉樹

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「トヨタ式といっても、そう簡単ではないですよね。なぜならこういう問題があるからです」という観点から書かれており、面白いし、内容も分かりやすいです。

個人的には、その中でも大きいのは、やはり原価計算の問題。本書では、在庫を増やした方が利益が上がる、として取り上げられています。

純製造業はいったん置くとしても、アプリケーション開発を製造業式に加工費として原価計算して個々のプロジェクトに見積もりから原価管理までさせるのは、部分最適から全体最適に移れない最大の原因ではないかと思うのです(そもそも製造業で、製造者が見積もりと原価管理をやることってあるのでしょうか?)。

計画に基づいて製造するか、必要に応じて製造するか、という問題もそうです。必要性が変わったら計画しなおすんだから同じだよ、というのは建前としては間違ってないと思いますが、そこに発想の転換がなければ単なるごまかしです。そこまで微調整が可能な計画になっているか、計画書式になっているか、ということです。

重要度も緊急度も低いかもしれないけど、タスクは山ほどあるはずです。しかし、計画と原価管理の方式が理由となって、手つかずのまま放置されている。そんなことはないでしょうか?

ただ、この問題にどう踏み込んでいったらよいか、分からないんだな・・・。