今年も、去年に続いて、正月休みは建築の本を読んでみました。
「建築家であること」(日経BP社)
しばらく、この中でおもしろかったことをネタにしてみたいと思います。
本の内容は、色々な建築家に対するインタビュー集で、共感できる人、とても受け入れられない人、色々でおもしろかったです。
さて、まずは山本理顕さんのインタビューの中から、考えさせられた話を取り上げたいと思います。
設計者が提案するにあたっても色々な制約があるという話題の中で、「老人介護や入浴サービスなど自治体が持っている様々な移動サービスや民間の共同購入のための場所などをドッキングするようなプランを考えいています。そうすると施設自体はローコストで済みます。」という話が出てきました。
これは、まさにコンポーネントの考え方だと思います。
とても合理的で、有用ではないかと思いました。しかし、きっとこの考え方も、色々な制約にぶつかるのだと思います。
この建物を建てる人は、自分で介護施設を作らなかったことになりますし、自治体のサービス以上のサービスを提供することもできなくなります。
口では合理性を言っても、結局は自分の支配下に持っておきたいという考えはきっとあると思うのです。
ソフトウェアを作るときも、コンポーネントそれ自体では十分な機能を持たなくなるのですが、他との組み合わせや拡張の時にトータルのコストダウンの効果を発揮することになるわけで、長い目で見る必要があると思うのです。でも、目の前にあるものに不満を感じてしまうと、なんで元からこういう機能を持っていないのか、という不満になってしまうわけです。
もちろん、そこまでのヒアリングをして、コンポーネントを組み合わせることによって、十分な機能を持たせたアプリケーションを作らなければいけないのですが、作る側・使う側双方の意志が同じ方向を向く必要はあるなと思います。