「熊とワルツを」読み終わりました。
リスク管理というものを考えてみる入門書として最適だと思います。
いくつかメモを。
「われわれは予想することは下手ではない。ほんとうに下手なのは、その予想の裏側にある仮定をすべて挙げることである」(ポールクック)という言葉が紹介されています。
身につまされる言葉です。
最近は、見積マシーンかというように週何本も見積をしたり見たりしており、その中でそれぞれの前提条件を列挙するわけですが、抽象的な依頼に対しては抽象的な回答になることも多く、そういうときこそ仮定を列挙することを心がけようと思います。
リスク評価ツールとして「Riskology」というツールが提供されています。
http://www.systemsguild.com/riskology/
(このページの絵は笑えますね。これはワルツか??)
ちょっと使い方は簡単そうではないですが、下のようなリスク図を作成することで、予想と目標を検討することに役立てられると言うわけです。
risc
ところで、ちょっと、リスク管理とはなれますが、どれだけリスクをとるかを決定するためにはどれだけの効果があるかを認識しなければならないという話の前振りで、「全体的な生産性」という話が出てきます。「新しいデータマイニングシステムを導入すれば、社員1人あたり少なくとも1日2分の節約になり、組織全体では1年間に42云々ドルの節約になる」みたいな主張は100%は割り引いて考えるようにしている、というような話です。システムの導入効果の説明としてこのようなことはよく考えます。ABC/ABMという言葉も一般的になりつつあるでしょうか。
http://www.dab.hi-ho.ne.jp/s-ueno/WEB_site/text2/book15.html
が、効果を大きく見せようとして、あまり細かい効果までを考慮しだすと、全体が胡散臭くなってきます。胡散臭いと言う言葉では他人を理解させることはできませんでしたが、本を読みながら、効果を検証できないのが問題なのだと理解しました。どのように効果を検証するかを決定した上で、その効果の見積手段としてABCを活用することはよいのではないかと思いました。
ふと思い出しましたが、以前会社に「リスクマネージメントの資格をとりませんか」みたいな電話が来て、うさんくさかったので断ったことがありました(受講料も高かったですし)。今後そういうことも流行って来るのでしょうね。

熊とワルツを – リスクを愉しむプロジェクト管理
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