業界にかかわらず、普遍的なことってありますよね。
家づくりの現場―マンガでわかる住宅業界 熱血棟梁!一平太が行く
村瀬 春樹
by G-Tools
前書きにもありますが、顧客満足と最先端情報をテーマとして、提供側である工務店と顧客である施主の双方が幸せになるための方法が描かれています。
第1話 21世紀の”勝利の方程式”
第2話 リフォームはビッグビジネスになるのだ
第3話 顧客には「媚びず!甘えず!嫌われず!」
第4話 たいへんだ!高齢社会の住宅事情&住宅市場
第5話 「地縁復活計画」!新しい住民たちと出会え
第1話は大手のモデルハウス戦略に対応すべくオープンハウス形式で「事例」を紹介しましょう、というような話ですが、それを地域コミュニティを組織して各業者が強みを集めてやりましょうという話が面白い。
第2話はリフォームニーズをくみ取るために、家事サービスから入っていこうという、ちょっと裏技的な話ですが、こちらの業界でも実運用を踏まえた設計をしようという話は大きなテーマであり、そのために業務支援サービスという話は大いにありかと感じられます。
第4話は最先端情報+顧客満足の非常によい例。バリアフリーって、手すりをつけて段差をなくすだけの話ではないよね。ということで、そういう目に見えるバリアのほかに、例えば、部屋間の温度差とか、トイレへの行きやすさとかの目に見えないバリアへの対策を挙げています。何より、そういうバリアを発見する視点の大切さというのが、ある意味この本の最重要ポイントですね。
余談ですが、リフォームがビックビジネスというのはこちらの業界も同じかなと。 ただ、そのためには基礎工事が重要だし、本当のニーズをつかむ要求分析が必要なんですね。暗い・寒い→オープンキッチン という変換ができるか、ということです。
もう一つ余談で、最後にコラムみたいなのがあって、トイレは昔は庭にあって土足で行くところだったのが、縁側の外れにできるようになったときに、日本人の足の裏はどうしたらよいのかと戸惑い、厠下駄というものができたという話があるのですが、縁側の外れのトイレというのがすごい懐かしい!子供のころ毎年夏休みを過ごした田舎の家はまさにそうでした。若い人は縁側すら分からなくなってきているのだと思いますが、もちもちの木とかで庭のトイレという雰囲気は分かるんですかね。(もちもちの木っつうのも懐かしいですよね)
モチモチの木 (創作絵本 6) | |
滝平 二郎
岩崎書店 1971-11 |
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